オランダの全国紙AD、生ニシンやオリボーレンの評価中止に

発行部数ではオランダ第2の全国紙である「AD紙」は、毎年生ニシン(ハーリング)やフライドポテトそして揚げパン(オリーボーレン)の販売店を訪ねて味を調べ順位をつけるという企画を行っており、読者の人気を博していた。しかし今年からこれを全面中止すると発表した。

「味の評価というのはあくまでも主観的なもの。どこの店がおいしいかを読者にヒントを与えるのが目的だったが、(悪い点をつけられれた)店に被害を与えるつもりはなかった。」と中止を決めた背景を説明している。

昨年ハーリングの評価結果に対し多数の批判が出ていた。これを受け経済学者のベン・フォルラード氏がこの評価の方法について調査をしたが、信頼度が低いという結論を出している。テストを行った審査員の一人が大手魚卸業のアトランティック社の社員で、この卸業者の魚を扱う小売店に良い点を上げていた可能性が高いという。また、テスト結果のコメントの一部は非常に屈辱的なもので、店への被害が大きいことも確かだ。AD紙の編集長もこれを認めており「厳しいコメントは読者には面白いものだが、店にとっては打撃だ。」と述べている。ただAD紙は、このテストの調査を行ったフォルラード氏に対して「一部は事実と異なる」と苦情を呈している。

AD紙は毎年初ニシンが出回る6月とオリーボーレンが売られる12月に小売店や屋台を回ってテストをしていたが、オリーボーレンのほうも「審査員が行くからと事前に通知が行った店と行かない店があった」という批判を受けていた。このためこちらも中止を決定した。AD紙は、このほかに各種消費者製品の評価も行っているが、こちらのほうは続行する。

AD紙の発表