ルッテ首相、不信任決議をなんとか切り抜けるが、傷は深く

昨日から本日明け方まで続いたルッテ首相に対する不信任動議で、元首相はなんとか過半数の反対票78票で動議は却下されたが、今後の内閣組閣で困難に立ち向かう可能性は高い。この不信任決議は、ルッテ首相がライバルのキリスト教民主党のオムジヒト氏を外そうという文書を作成した疑いが浮上したことが引き金となった。ルッテ氏の所属する自由民主党(VVD)は3月17日の選挙で第一党となり、首相の続投がほぼ確実となっていたが、今回の不信任決議事件でこれも危うくなっている。

オプジヒト議員(CDA)は託児補助金スキャンダルを暴き、一躍表舞台に立った議員。この議員を排除しようという企みが明るみに出たことが、今回の不信任投票となったもの。

ルッテ首相は投票のあと「自分は首相を続投するが、失った信頼を取り戻すことを努力する。」と語っている。
ルッテ首相は連立政権のまとめ役を続行するものの、今回のスキャンダルで連立交渉は困難となることが予測される。同氏はオランダ首相としての最長就任記録を続ける「政治的サバイバー」と言われている。