英蘭に本拠を置くユニリーバ、オランダに本社設立決定か?

オランダとイギリスに本拠を置く世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバは、今後オランダでの本拠地に一本化する可能性があるとFT紙が報じている。ユニリーバは食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造・販売する多国籍企業。イギリス政府はロンドン本社を主張しているが、ユニリーバ自体はロッテルダム拠点へと傾いている。最終決定は3月の2週目になる。この決定は英国のEU脱退(Brexit)とは直接関係ないと発表しているが、実際には影響を受けていると思われる。イギリス側は本拠がロッテルダムに移っても、リサーチ部門などはイギリスに残ることを期待している。

ユニリーバ社はシェルと同様、ロンドンとロッテルダムに本社を置き、2つの株式市場で上場し、2箇所で株主総会を開催している。しかし1年前にアメリカのクラフト・ハインツからの1430億ドルの公開買付け提案ののち、社を一本化することを決定していた。
ただロッテルダムへの移行は英国のEU離脱というセンシティブな状況下、イギリス経済に与える影響も憂慮されている。

オランダ側はマーク・ルッテ首相がユニリーバ社に対し本拠地をロッテルダムに決定するよう働きかけてきた。オランダは国内での反発にもかかわらず15%の配当税を廃止することを昨年12月に決定、海外からの投資の促進に努めている。さらに長期的視野に立つ投資家に対し特別なルールを設定している。これが株主の利益のみに焦点を当てているイギリスに勝つ背景だとFT紙は分析している。