安楽死を行った医師、殺人罪で有罪に

2016年にアルツハイマー患者に対し安楽死を実行した医師を、検察は安楽死を実行した医師を「不注意な安楽死遂行」による殺人として起訴したが、処罰は与えないと26日発表した。2002年に「患者の要請に基づく生命の終結および自殺幇助法」が導入されて以来、検察局がこの安楽死で医師を起訴したのは初めて。

安楽死を実施した元医師カタリーナさんは、患者がまだ意思を表明できる段階で患者による安楽死希望を受けていた。しかし患者は病気が進んだ段階で、そのまま生命を維持したいのか断念したいのかについて、何度も意見を変えていた。検察の見解は、事前指示が明確であることは認めるものの、医師は患者の「死を望む」ことについて患者ともっと密接に話し合いををすべきであったとしている。 結論が出ないままに安楽死を実施したことで同医師は殺人罪に問われることになった。

しかし、ハーグの裁判所で検察は刑罰を要求するのではなく、有罪判決のみを要求している。 「医師の善意、検察の捜査に対する協力的な態度」を考慮に入れ、有罪ではあるが懲罰は免れるべきだと主張した。ただし裁判所が検察の要請を受け入れた場合、それは元医師が犯罪歴を受け入れることとなる。

これに対し患者の娘は、母親の人生を終わらせた医師を支援している。検察官が娘に代わって読んだ被害者の声明で、彼女は医師が母親の「明確に表明された希望」に従って行動したと述べている。「この拷問のような病から逃れる権利を誰も否定することはできません。カタリーナ医師は私の母を彼女が強く反発していた精神刑務所から出してくれたのです。」
老人医学の専門医であったカタリーナさんはこの事件のあと退職した。法廷で元医師は患者がこの病棟で非常に不幸な気持ちを抱き安楽死を望んでいたと主張した。「私はここに明確な良心をもって裁判に臨んでいる」と元医師は述べている。

オランダの安楽死法