オランダ、安楽死クリニック、精神疾患による安楽死希望者増加
オランダで2012年に設立された安楽死を専門に行う「命の診療所 – De Levenseindekliniek」の需要が増加している。とくに目立つのが精神疾患で苦しむ人の安楽死幇助である。今年の前半だけ18名の患者がこの診療所で人生を終えた。2014年の1年間で17人だったので倍増ということになる。この診療所へ安楽死を求めやってくる人は多く、待機時間は長くなる一方である。精神病患者の人だけでも100人近くがウェイティングリストに載っている。なぜ、この診療所で精神病患者による安楽死希望が多いのか。このかげには、病気に対する適切な診断と決断を行える精神科医が不足していることにある、とオランダのメディアは分析している。
オランダにおける安楽死総数は年間14,000人へと増加している。申請はホームドクター(主治医)あるいはこの「命の診療所」を通して行われる。このうち2014年に「命の診療所」で安楽死の処置を受けた人は560人である。
オランダでは安楽死は違法である。しかし、患者が耐えられないほどの苦しみを被り、かつ治癒の見込みがないという条件で医師が安楽死を行う場合には、告訴の対象から免れる場合もある。しかし、煩雑な手続きなどを取らねばならず、医師や医療従事者が安楽死を躊躇する場合が多い。主治医によって安楽死を拒否された人々を救うために2012年に医師と医療従事者によって設立されたのが、この「命の診療所」である。