オランダ、子供の安楽死を認める方針へ

オランダ政府は14日、12歳未満の子どもたちの医師による安楽死を認める方針を発表した。「耐え難いほど」「改善の見込みがない」状態で苦しみ、「予見可能な将来」に死亡する 12 歳未満の子どもが対象である。安楽死はこれまで12歳以上が対象だったが、これを拡大することになった。これによりオランダはあらゆる年齢を対象に厳しいい条件のもとに安楽死が合法化されることになる。カイパース健康省大臣によれば、対象となるのは年間5人から10人の子供だという。子供の安楽死が認められるのはオランダはベルギーに次いで世界で2番めである。

オランダは世界で初めて医師による安楽死が合法化された国である。(2002年) 世界で安楽死が合法化されている国は、スイス、アメリカのいくつかの州、ベルギー、ルクセンブルク、コロンビア、カナダ、オーストラリア、スペイン、ニュージーランド、オーストリアがある。

耐え難い苦痛を持ち回復の見込みがない患者自身が望む安楽死は、自発的(積極的)安楽死と呼ばれている。これとは別に患者あるいは家族から望まれて延命治療を止めることを消極的安楽死と呼んでいる。いずれの場合も厳しい審査の後、医師により安楽死が実施される。条件に満たない場合は医師が起訴される。

オランダでは2022年に約8700人が安楽死しているが、このほとんどが治癒の見込みのないがん患者だった。
オランダにおける安楽死は身体的な疾病を患う人が対象だったが、2020年には医師が追訴を恐れずに行う重篤な認知症患者への安楽死も最高裁判所が許可している。