オランダ政府、前政権で削減あるいは廃止された文化・芸術助成金を取り戻す

オランダ前政権で大鉈を振るい支出削減を行った「文化と芸術」に関わる助成金を、現政権の文化担当大臣ブスマーカー氏(労働党)は再度予算に組み入れると発表した。カットされたすべての助成金というわけにはいかないが、総計1800万ユーロ(約25億円)を文化予算に追加する。この予算は次期助成金支給期間である2017年から2020年までのもの。このうち550万ユーロは国立の博物館と美術館に配分される。そしてその大半が存続の危機にあったアムステルダムの熱帯博物館(民族博物館Tropenmuseum)に支給される。ちなみに昨年には、この熱帯博物館とライデンにある民族博物館そしてベルグエンダルにあるアフリカ博物館の3博物館が合併し、世界文化博物館(Museum voor Wereldculturen)となっており、この団体へも助成金は支給される予定。

音楽関連でも存続の危機が噂されていたメトロポール・オーケストラが300万ユーロ(5億円)の助成金を得ることになった。1945年に結成したこのオーケストラは、世界で最大のポップ・ジャズ・オーケストラである。このほか、国立アートアカデミー、ヤン・ファン・エイクアカデミーなどでは、若くて優秀なアーティストに対し大学院課程を受けられる奨学金が支給される。前政権のゼイストラ文化担当大臣(VVD党)は2017年ですべての助成金をなくすことを宣言していた。