アーティストに魅力なロッテルダム、家賃高騰で危機に

家賃も比較的安くカルチャーも独自なロッテルダムは、いろいろな分野のアーティストを引き寄せてきた。しかしオランダ経済好調の波に乗ったロッテルダムでは家賃も高騰している。市の文化担当議員であるランゲンブルグ(民主66党)は、アートや文化を職業とする市民約3500人(このうちビジュアルアーティストは1350人)が、活動するのに必要なスペースを確保できるよう早急な対策が必要だと述べている。市が運営するアトリエやスタジオは限られているため、今後5年間に大幅に増やす必要がある。さらに、市所有でない場所も絵画、演劇、映画、写真、デザイン、建築などを職業とする人々に開放するよう努める計画だ。

ロッテルダムはその独自の文化で人気が上昇中。住宅のみならずアトリエやスタジオスペースは需要が供給を大幅に上回るようになり家賃は高騰している。
これまでアーティストは、古い学校や工場などを改造した建物に集まることが多かった。しかし、学校や工場も住宅用にと不動産ディベロッパーの格好の餌食となり、アーティストは追い出されるはめに。アーティストは往々にして収入は少ないのにスペースが必要だ。これではアトリエを探すのがほぼ不可能になり、収入が減るという悪循環に陥る。

ロッテルダム・アーティスト・スタジオ基金(SKAR)はこの状況を打破するため、24塔の建物に291戸のアトリエを用意し491人のアーティストに貸している。賃料は1平米50ユーロ(年間)と低く抑えている。ハーグでも同じような動きがあり、クリエーターやハイテクのスタートアップのために、4000平米のスペースを確保、2018年にオープンの予定だ。

SKAR ateliers