肥満化する欧州でオランダ人のみが例外
6日に発表された世界保健機構(WHO)の報告によれば、欧州53カ国のほぼすべての国で肥満化が進んでいる。このまま何の施策も施されなければ2030年には大人がほぼ全員体重過剰という「肥満危機」に直面するという。WHOの調査は体重と身長の関係から算出されるボディマス指数(BMI)を基準にしており、指数25以上は体重過剰、30位上は肥満としている。
BMIがここ数年急激に上昇しているのが、アイルランド、スペイン、スエーデン、オーストリア、チェコそしてイギリスである。これに対しオランダは唯一の例外で体重過剰は減少の方向にある。2010年には54%の男性が体重過剰であったが、報告書の試算によれば2030年にはこの半分となる。さらに肥満も10%から8%へと減少する。女性も13%から9%へと肥満の人は減る見込み。
オランダ人の食生活は他の欧州の人たちと比べて決して健康的だとは言えない。脂肪分や塩分の摂取も多い。大きく違うのは運動量である。運動をほとんどしないという人は全人口の5分の1で、他の人はなんらかの運動をしている。オランダ人の運動とはジム通いやジョギングだけでなく、大きな割合を占めるのが自転車。移動手段の4分の1が自転車という国なので運動量は他国に比べ大きいといえる。