政府、違法滞在難民について合意で政権の危機逃れる

自由民主国民党(VVD)と労働党は水曜日夜、難民申請を却下された後に違法でオランダに滞在している難民へ避難所を提供することで合意し、政権の危機をなんとか脱した。違法滞在難民はオランダの5都市の避難所に一時的滞在することが可能となる。避難所ではベッドと食事とシャワーが提供される。
数日間にわたり話し合いを続けてきたアッシャー副首相(労働党)によれば両党のかかえる共通の問題を解決するための「苦渋の妥協策」である。ルッテ首相(VVD党)は避難所での滞在期間は数週間に限られるというが、正確な最長滞在期間については今後の行政協定で決まると発表している。避難所(シェルター)が設置されるのはアムステルダム、ロッテルダム、ユトレヒト、ハーグ、アイントホーフェン、そして難民収容所のあるテル・アペルである。

オランダ政府の基本方針は難民申請を却下された難民は本国送還というもので、避難所は帰国前の一時的滞在場所としている。VVD党は違法難民は即刻送還を主張し労働党は人道的見地から時間的な猶予を与えるべきと主張していた。今回の合意では一時的滞在がどの程度の期間であるか、また帰国を拒否する難民への対策などはまだ決まっていないのが現実で、この問題は欧州全体で増加する難民への取り組みと絡み引き続き論議の対象となるであろう。