オランダ、家庭菜園ブーム再来

オランダで家庭菜園が流行している。大手スーパーでは買い物客に野菜の種入苗床セットを無料で配布したり、テレビでもプロの菜園士が素人の質門に答えるという番組がヒットしている。家庭菜園は従来の定年退職者の趣味というイメージを払拭し若い人たちの間でもちょっとしたブームとなっている。

ブームの背景には昨今の食品スキャンダルや無農薬栽培への関心の高さがあると専門家は分析しているが、手作りものが流行ったりオランダ人が従来無頓着であったはずのグルメ嗜好が徐々に広がっていることも見逃せない。数年前にはクリスマス用の編み物が男女ともにちょっとしたブームとなり、これまでの女性や高齢者の趣味というイメージを脱却した。同様に自宅で美味しいものを料理することも特に若い人の間では性別を問わずに流行している。これが家庭菜園ブームに火をつけた様相がある。さらに、自分で植えた種や苗が実をつけそれを自分で食べることができるというのは幸福感をもたらす。そして何よりも自然の中に身をおき季節感を味わえるというのも魅力らしい。

自宅に庭がない人も市民農園を借りて野菜を作る人が増えている。これまでは定年退職者の男性が利用者の大半を占めていたが、今では家族連れ、女性そして外国人も市民農園を利用し始めている。