欧州議会選挙開始。各国で極右支持広がる。

街頭で顔写真の載った選挙ポスター群を見かけるが、これは本日から始まる欧州議会選挙のポスターである。欧州議会選挙は欧州議会の議員を決める5年に1度の選挙。今年はEU加盟各国で6月6日から9日のいずれかの日に、比例代表制の直接選挙で投票が行われるが、オランダは初日の今日が選挙日だ。改選後の議席数は720、人口に基づき各国に配分される。オランダは31議席。

欧州では急進右翼政党が台頭しているが彼らは力を合わせることができるのか?そしてそれはオランダにとって何を意味するのか?

ヨーロッパ全土で急進右翼政党と保守政党が勢力を伸ばしている。例えばフランスでは、マリーヌ・ルペン氏の政党が大勝利を目指している。オランダではPVVが世論調査でリードしている。したがって、欧州議会の構成は大幅に変わる可能性がある。これまではキリスト教民主党(欧州人民党で統一)と社会民主党(S&D)という2つの大きな「欧州ファミリー」が主導権を握ってきた。過去5年間、「欧州ファミリー」は左派的な自由党や緑の党と協力することが多かった。EUでは、グリーンディールにより進歩的で環境に優しい議題が追求されてきた。しかし、それは今回の選挙で変わろうとしている。

変わるかもしれない選挙後の新体制はオランダにとって何を意味するのか?  新内閣PVV、VVD、NSC、BBBの連立計画が成功するかどうかは、EUに大きくかかっている。彼らが最も重要視する政策は、移民と農業だ。オランダの新連立政権が掲げている厳格な移民政策と農業規制の緩和(肥料と窒素)は、EUの決定に左右されるだろう。

極右政党は反EUを掲げているが、これを支持する選挙民はEU選挙に投票しないという皮肉な見方もあり、どれだけ極右が議席を獲得できるのかはまだ不明だ。

(画像:Reuter 世論調査による選挙予想)