「オランダは5年以上の滞在者に市民化テストの強制はできない。」EU法務官見解

オランダでは外国企業からの派遣や学生などの一時的な滞在者以外は「市民化(inburgering)」試験を受けることが義務付けられているが、欧州司法裁判所のEU法務官は「5年以上滞在している外国人にこの試験を強制することはできない。」という見解を発表した。この見解発表は、2002年からオランダに住むアメリカ人と2000年から滞在するニュージーランド人が市民化試験受験を拒絶し欧州司法裁判所にに持ち込んだことがきっかけ。司法裁判所はEU法務官に見解を委ねた。
オランダは長期滞在を目的とした新規入国者には「市民化」テストが義務付けられているが、すでに長期滞在している者もこれは除外されていない。しかしEU法務官によれば5年以上滞在するものにはこの義務はない。

これに対しオランダの社会省大臣であるアッシャー氏(労働党)は「これはあくまでも欧州裁のアドバイスであり判決ではない。まずはEUの評決結果を待ちたい。」と述べている。「オランダに居住する人は社会規範や価値観を理解する必要がある。これはオランダに来たばかりの人だけでなくすでに長期滞在している人にも当てはまる。」と同大臣。与党のVVD党も試験を受けることにより社会参加が容易くなるという見解を示している。