オランダの外国人市民化教育失敗、大都市で制度見直しに

23日会計監査院は、2013年に導入された「移民の市民化義務」制度の民営化が失敗であるという報告書を発表した。これを受け、難民と移民が多いアムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒトの4都市(G4)は「市民化」教育制度について見直す意向を示した。オランダでは2007年から外国人(EU以外の国出身者)は「Inburgering」と呼ばれるオランダ語とオランダ社会について学ぶことが義務付けられている。当初はこの市民化教育は市町村がほぼ無料で提供していたが、2013年から制度が変わり市場の自由競争という名目で教育は企業の手に渡った。難民も含む外国人は、約10000ユーロまでの教育費をDUOという国の機関から借りて授業を受けるという制度だ。オランダ語教育を行う会社は雨後の筍のごとく165社にまで増えたが、その質は下がる一方。授業を受ける人も試験の合格率も落ち続けている。

市民化教育の民営化に伴い地方自治体は教育に義務を負わなくなったが、口出しもできなくなった。この惨憺たる結果を受け、G4は独自に市町村が率先して外国人の市民化を行う「新制度」の導入を提唱している。例えば「市民化」や「職探し」に関するウェブサイトは現在すべてオランダ語であるが、これを各国語に翻訳し、実際に必要な人々に伝わるようにする。学校の教育の質をチェックしたり、外国人がオランダ語教育を受けるよう市町村が率先して行うようにする。

会計監査院による報告書