オランダ国鉄、戦時中ユダヤ人の輸送で250万ユーロ稼ぐ

オランダ国鉄NSは、第二次世界大戦中10万人以上のユダヤ人をオランダ国外に輸送するための報酬として40万ギルダーを受け取っていた。これは現在の価値に換算すると250万ユーロ相当になる。輸送ごとにオランダ国鉄はナチスに請求書を発行していた上、期日内に支払われない場合には督促状も出していた。NSは合計で30通の請求書を発行していたという。これらの書類は現在米国のワシントン・ナショナル・アーカイブに保存されている。

戦時中オランダ国鉄は93の列車をオランダ北部にあるウェスターボルク通過収容所まで走らせていた。そこからさらにドイツ国境まで行き、その先はドイツの列車がユダヤ人を最終の収容所まで輸送した。オランダを占領していたドイツ軍はアムステルダムのマウダーポート駅からオランダ北部アッセンに100人のユダヤ人を輸送する費用として480ギルダーを支払っていた。

オランダ国鉄は2005年に初めてこの事実を認め遺憾の意を表した。しかし遺族に対しての補償金などについては触れていない。フランスでは昨年12月初めにフランス国鉄で収容所へ送られた遺族数百人に対し補償金を払うと発表している。