オランダ、学生への奨学金廃止

オランダ上院は次の学年度から学生(大学、およびこれに準ずる学校)への奨学金を廃止することに賛成票が反対票を上回った。新政策は今年の9月1日から施行される予定だが、これにより学生はこれまで以上に借金をかかえることになる。ただしすでに大学などに学籍を置くもはこの新制度からは除外される。また、当初政府が計画していた学生の交通費免除も今回は廃止の対象にはなっていない。ブセマーカー教育省担当大臣によれば、奨学金廃止で10億ユーロの余剰資金が出るがこれを高等教育の充実のために投資するという。この新制度に反対する学生団体によれば、この奨学金廃止で学生は学士号を終えるまでに平均15000ユーロの借金がこれまでのローン金額に加算されることになる。オランダ最高諮問機関は奨学金廃止による余剰金の使用が不明であることから、この措置に反対していた。

現在オランダでは、親の収入にかかわらず家から通っていない学生には毎月279.14ユーロ、親元に住む学生には100.25ユーロの奨学金が出ている。これに加え学生は学部を終えるまでに平均15000ユーロの借金を抱えている。この学生ローンは35年以内に返済するものだが、ほとんどの学生がこれを利用している。今回の奨学金廃止が施行されると、学生は平均30000ユーロ以上の借金をかかえることになる。