この夏オランダで話題の映画2本

7月20日からオランダで公開された全く毛色の違う話題の映画2本を紹介する。どちらも全世界同時公開だという。1本は「バービー(Barbie)」という着せ替え人形バービーの実写版。もうひとつは、広島と長崎に落とした原子爆弾の発明者であるオッペンハイマーの生涯を描いた「オッペンハイマー(Oppenheimer)」である。

バービー」は、オスカーにノミネートされた作家兼監督のグレタ・ガーウィグ(『若草物語』、『レディ・バード』)による映画で、オスカー候補俳優のマーゴット・ロビーとライアン・ゴズリングがバービーとケン役を演じる。完璧な容姿を持っていないことを理由に、バービーランドから追放されたバービー。彼女は、真の幸せを見つけるために人間界へ旅立つというコメディだ。この映画は、おもちゃだけでなくファッション業界にも大きな影響を与えている。ファストファッションメーカーのZARAも「バービーファッション」のコーナーを設け、ピンク色の60年代ファッションを紹介している。

バービーとは正反対の映画が、クリストファー・ノーラン監督による「オッペンハイマー」である。この歴史スリラーは、最初の原子爆弾を製造したマンハッタン計画を率いた物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いている。シリアン・マーフィがオッペンハイマーを演じ、エミリー・ブラントが妻キャサリンを演じる。原子爆弾の開発に成功したオッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く作品である。原爆投下後、悲惨な状況を目にしたオッペンハイマーは反原水爆の活動を始めるが、冷戦時代に突入した米国は、彼に共産主義者のレッテルを貼り追放しようとする。

上映映画館を探すには、Filmladder.nl などが便利。