ゴーダ版、黄色と茶色のズワルト・ピート

オランダでは重要なお祭りであるシンタクラース(聖ニコラス)祭に欠かせない従者の黒人であるズワルト・ピート(黒いピート)が人種差別であるとして毎年論議の的になっていたが、今年はこの議論が加熱し市町村によってはピートの顔を黒く塗らない、あるいはピート全廃などという計画も出ている。

ゴーダチーズで有名なハウダ(Gouda)市は、11月15日のシンタクラースの行進にはチーズとオランダのワッフルであるストロープ・ワーフェルの色で顔を塗ったピートを登場させるという苦肉の策を講じている。また伝統的なピートの衣装に欠かせない大きなイヤリングや真っ赤に塗った大きな唇も廃止する。
ハウダ市の市長は「伝統的なズワルト・ピートを無くすべきではないという人もいれば、ステレオタイプ的な黒人像を嫌がる人もいる」ということで今回の決定に至ったと語っている。ハウダ市はチーズとストロープ・ワーフェルで有名。

アムステルダムでは今年はほとんどのピートは顔を真っ黒に塗らずに少しだけ色をつけるということに決定している。ズワルト・ピート論争に火をつけたのは昨年の国連人権委員会の報告書。報告書によれば、ズワルト・ピートは、オランダの過去の植民地政策そして奴隷貿易という伝統を引きずるもので黒人差別にほかならないという。

シンタクラース