オランダ極右党首ウィルダース氏、ヘイトスピーチ容疑者として事情聴取

オランダの検察当局は、極右政党PVV党(自由党)のウィルダース党首によるモロッコ系移民に関するいわゆるヘイトスピーチが「差別や嫌悪を扇動した罪」などに当たる疑いがあるとして、容疑者として事情聴取すると発表した。

ウィルダース党首は今年の初頭、オランダ地方選投開票日の集会で党員や支持者に対し「EUは拡大すべきか縮小すべきか」「労働党は増えるべきか減るべきか」そして「モロッコ人は多いのと少ないのとどちらがいい」と問い掛けた。支持者らがすべての答えに「少ない方」と叫ぶ様子がテレビなどで報じられ、捜査を求める市民の申し立てが相次いだ。検察によると、この集会から2週間以内に異議申し立ては6400件を超えた。

ウィルダース党首は「(移民に絡む)問題を指摘する国会議員を捜査の対象とするのは恥ずべきことだ」とコメントした。6年前にもウィルダース氏はイスラム教徒を侮辱したという罪に問われたが、検察は「侮辱の内容は社会での討論の一部としてとらえる」として無実となっている。