ベルギー、世界で初めて子供の安楽死を認可

ベルギー下院は木曜日、安楽死の年齢制限を撤廃するという法案を可決した。これまでベルギーでは安楽死ができる年齢は18歳からとなっていたが、今後は子供も安楽死を選べることになる。隣国のオランダでは現在安楽死が選べる最低年齢が12歳となっており、難病や苦痛に苦しむ子供にも安楽死という選択を与えるかどうかで議論が行われている最中である。
ベルギーでは今後、治癒の見込みがなく、耐え難い痛みなどの苦しみがあり、短期に死が迫っているという条件で子供にも安楽死が選べるようになる。年齢はとくに制限はないが実際に自分で判断ができると心理学者あるいは精神科医によって立証されていることが条件。さらに両親による同意も不可欠である。

法案の可決への道は険しかった。160人の小児科医はこの法案への投票を拒み、これまでの安楽死法の年齢制限は変更の必要はないと主張した。18歳以下の青少年は大人と同じような考え方はできないというのがその根拠にある。またキリスト教系の党はこの法案の「年齢制限撤廃」は認めず、15歳を最低年齢とすべきだと主張した。

しかしながら最終的には, 賛成86票、反対44票、そして無投票12という結果で法案は可決された。議決時には通常の拍手は聞こえず、静かに閉会となったという。