ベルギー、原発停止と仏・蘭からの供給不能でエネルギー供給に不安

ベルギーは今年の冬に向かいエネルギー供給にますます不安をつのらせている。ロシアからのガスだけでなく、フランスとオランダからのエネルギー供給が危ぶまれているのと、自国の7基ある原子力発電所のうち3基が運転停止中であることがその背景にある。早い時期に解決方法を見出さない限りまず電気の供給に大きな問題が発生すると専門家は警鐘を鳴らしている。

政府と地方自治体は緊急事態に備える計画を立てている。来月にも各自治体で住民に対しなんらかの説明があるはず。
アントワープ近郊のドュールとリエージュ近郊のティハンゲにある2基の原子炉は亀裂が入り長い間停止している。さらに2週間前同じくドュールにあるもう一基も破壊行為で運転停止となった。何者かが故意にオイルを流したままにしタービンがオーバーヒートとなり原子炉は自動的に停止状態となった。一旦停止した原子炉を再開するにいは時間がかかり今年中には不可能と見られている。

さらにシャルロワ近郊のモンソー・シュル・サンブルの変電所で3月に火災が起きたためフランスからの原子力発電による電力供給も難しいことになっている。またオランダからの電力供給の一部を負担するサンドフリートの変電所も保全工事が必要な状態。

ベルギー最大の党であるN-VA党は先週末に新規原子力発電所の建設を請願している。しかし他の政党は、10年前に2025年までにすべての原子力発電所を廃炉にするという法案が施行されているため、これに反対している。