ロシア、EUからの農産物輸入制限でオランダ農業打撃

ロシアの国営通信の報道によれば、ロシアはウクライナ危機をめぐって同国に制裁を科した国々への対抗措置として、米国からのすべての食料、そしてEUからの果物と野菜の輸入を禁止すると決定した。

ロシアによる正式な輸入制限が発表される前には、オランダの経営者団体(VNO-NCW)は、「輸入制限によるオランダ経済への打撃は限られたもの」であると楽観視していた。しかし、オランダ農業団体(LTO)会長はこの輸入制限が実行されれば欧州の農業は大きな打撃を受けると述べている。LTOはオランダ政府の決断を支持すると発表した上で、「オランダは世界で第2番目の農作物輸出国である。そしてロシアへの輸出も大きな比率を占めている。」と懸念を表した。オランダのロシアへの農産物輸出高では世界最大で、年間6億ユーロの野菜と3億5000万ユーロの切り花を輸出している。

ロシアによる農産物輸入制限は輸出業者に打撃を与えるだけでなく、欧州市場内で余剰農産物の増加で価格破壊が起こる。すでにポーランドはドイツへ農産物をダンピング価格で輸出しており、オランダも近々同じような道をとる可能性も高い。