ミッフィーの生みの親ディック・ブルーナさん活動中止

世界中で親しまれてきたミッフィー(オランダ語でナインチェ)を産んだディック・ブルーナ氏(86歳)は、今年でもう活動を中止するとメディアに発表した。今後新しいキャラクターは出ない。

ナインチェ・プライス(ミッフィーのオランダ名)はディック・ブルーナ氏のスタジオのあるユトレヒト市のマスコットで、この市にはミッフィーの銅像が置かれた広場や博物館「ディック・ブルーナハウス」もある。ミッフィーの絵本は全世界40ヶ国語に翻訳されている。ディック・ブルーナ氏が1955年の夏にオランダの北西部の海岸でうさぎを見た時に描いたミッフィーだが、当時はこのうさぎがこれほど有名になるとは夢にも思わなかったであろう。

ブルーナ氏は出版社A.W.ブルーナ社のオーナーの息子として1927年に生まれた。祖父も出版会社を経営、叔父のヘンク・ブルーナ氏はオランダの文房具屋チェーンのブルーナの設立者である。ディック・ブルーナ氏はロンドンやパリで過ごしたあとアーティストになる夢をいだきアムステルダムの美術学校に入るがすぐにやめてしまう。そして父親の経営する出版社でイラストレータとして働き、1970年まではポスターや本のカバーなどをデザインしていた。海岸で見たうさぎを描いたのが1955年だったが、これがミッフィー本が爆発的にヒットする原点となったのである。

太いラインと原色使いは、オランダのモンドリアンやファンデル・レックそしてリートフェルトなどが属していたデ・スタイル派の影響があったと捉えられることが多いが、ブルーナ氏自身によればフランスのアンリ・マティスに大きなインスピレーションを得たという。

ナインチェ(ミッフィー)はその後絵本だけでなく、数々のキャラクターグッズ、ミュージカル、映画そしてアニメにもなった。ミッフィーの版権を管理するメルシス社によれば、ミッフィーの最大の市場はハロー・キティーを産んだ日本。日本や韓国からのやってくるミッフィーファンはユトレヒトにあるブルーナ氏のアトリエの前で歓喜余って涙していることもあるらしい。ディック・ブルーナ氏はオランダの著作家の中で最もお金持ちで総資産4200万ユーロ(約50億円)と見積もられている。