睡眠不足はアルツハイマーの原因に?

オランダのラッドバウト大学病院付属アルツハイマー研究所の研究によれば、慢性的な睡眠不足はアルツハイマー病を引き起こす可能性が高い。これはJAMA神経学という雑誌に掲載された論文である。
正常な睡眠は脳脊髄液中のアミロイドベータタンパク質の量を減少させる。ところが一晩中起きているとこの減少が妨げられ、このタンパク質の量は一定に保たれる。アミロイドβはアルツハイマー症の発病に大きな関係があるという仮説に基づけば、この慢性的睡眠不足によるアミロイドβの減少はアルツハイマー発症を引き起こす可能性を高めるというのが、この研究の結論である。

過去にもマウスの実験でも睡眠不足とアルツハイマーの関連は観察されている。睡眠不足によりマウスの脳のアミロイドβの量は増加している。
ラッドバウト・アルツハイマー・センターでの今回の実験には40歳から60歳の26名の健康な男性を使った。半数は通常に眠り残りの半数は24時間寝ずに起きていた。夜の間脳の活動を計測、脳脊髄液も何度か採取された。通常の睡眠を撮っていた人はアミロイドβの量は減少したのに対し、眠らなかった人のアミロイドβの量は変わらなかった。

JAMA Neurology