暦の上での春。突然の霜で蝶や果樹が被害

暦の上では3月1日から春が始まった。数週間前から暖かくなり木々から芽がふき、花も咲き初めたことで本当に春が来たかのような気がしていた。しかし今週は霜が下りる寒さに襲われている。この寒さは、蝶や果樹に悪影響を与えている。

暖冬で冬眠から早く目覚めてしまった植物や動物にとって、この寒さはどんな影響があるのだろうか。夜中に零度近くになるのは植物や動物にとってそれほど問題ではない。しかし零下10度となると動物や植物が凍ってしまう可能性があるとワーへニンゲン大学の生物学者ファン・フリート氏。

「自然界は環境が毎年変わることに慣れるものだ。自然には常に柔軟性がある。しかし時に損傷を引き起こし、元に戻せなくなる可能性もある。極端な状況がより頻繁にそしてより長期間発生すると、自然は追いつくことができなくなる。」自然界は極端な気候だけでなく、窒素、建設工事、その他の人的妨害ですでに大きな被害を被っている。これが取り返しのつかない結果につながる可能性もあるのだ。

ファン・フリート氏は冬眠から覚めると寒さに耐えられない動物の例として蝶をあげている。また果樹は開花後に寒くなると大きな被害を受ける。
これとは反対に、ライム病を引き起こすマダニは活動が弱まらない。暖冬ですでに活動が始まり、ダニに刺されたという報告がすでに出ているという。この虫は土壌の中にいるので寒い時期もあまり影響を受けずにいる。

そしてこの気温の大幅な上下で多くの植物が消え去っている。調査によれば、2080年までにオランダの40%の植物の存在が危ぶまれている。植物の多様性が失われるということは残念というだけですまない。オランダに残る植物や動物に大きな被害を与えることのほうが恐ろしい。
先週、内閣は NL2120 プロジェクトにに 1 億 1千 万ユーロを投資すると発表した。このプロジェクトは、さまざまな組織が協力して、気候、自然、生物多様性の分野における問題の解決に取り組むものだ。

短期的には、住民も動植物の保護に貢献できる。「しばらくの間、庭を冬モードのままにしておいてほしい」とファン・フリートはアドバイスしている。「そうすると、寒くなると昆虫や他の動物が隠れられる場所が増えるから。」