アムスの飾り窓移転、風俗センターはどこに?

アムステルダム市は、旧市街地の中心にある飾り窓地区の混雑や犯罪などを防ぐ目的で移転を計画している。飾り窓地域には風俗業などが密集しており、観光客が押しかけ大混雑状態がここ数年以上続いている。移転先で現在候補に上がっているのが、RAI展示場付近そして北部のNDSM埠頭である。市が計画しているのは風俗業をひとつの巨大ビルに収めるというもので、エロティック・センターという名称がついている。

当初は西部のスローターダイク付近と南東部のアリーナ付近も候補に上がっていたが、治安上などの問題からこれは却下されている。NDSM埠頭は近年若者の間で人気の地区。イベント会場や企業そして住宅も増えている。NDSM埠頭では、ドックランド地区が新しい風俗地区として検討されている。ここに100人のセックスワーカーが働くビルの建設の可能性がある。RAI展示場付近では2箇所が候補に上がっている。RAI駅の南(高速道路A10出口付近)そしてヨーロッパブルバードにあるNHホテルの隣である。

アムステルダム市長ハルスマ氏は、旧市街地の観光客による混雑を緩和するだけでなく、セックスワーカーが安全に仕事ができる場所の提供を目的とし、移転先を探している。また移転後は飾り窓地区に飲食店、娯楽そして教育施設が開業できるスペースを確保できるという。

移転先候補であるRAI付近ではすでに反対運動が起きている。この付近にはROCアムステルダムという中高校があり4000人の生徒が学んでいる。ここに風俗センターができることは好ましくない。さらに国際展示会場RAIに隣接するというのも考えものだというのが、反対意見の大半を占める。不動産価値が下がることを懸念する住民も多い。

これまでいろいろな地区が候補に上がってきたが、いわゆる迷惑施設が近隣に来ることを嫌がる住民や企業や警察などの反対で却下されている。おそらく移転が決まるのは3年半から10年かかるのではと予想されている。

アムステルダム市のエロティック・センター計画白書