欧州各地の干ばつ深刻

オランダでも水不足が問題化しているが、他の欧州諸国の干ばつも深刻だ。雨量が少なかった冬と春そして猛暑のせいで、欧州の河川の水量が例年より大幅に少ない。今後も大雨が降るという予測もないため、おそらく欧州大陸では100年ぶりの干ばつとなりそうだ。欧州委員会のリサーチセンターによれば「2018年も干ばつがひどく、500年ぶりの降雨の少なさだと言われていた。しかし今年の干ばつは2018年の比ではないくらい深刻だ。」という。

フランスではロワール川を徒歩で渡ることができる場所も出てきた。また小さな川は完全に干上がっている。
ドイツのライン川も水位が下がり、貨物船の航行が不可能になっている。
ライン川の支流であるオランダの川も同様に水量が激減している。ライン川の支流ワール川も貨物船の運行が不可となっている。
イタリアでは最長の川であるポー川が干上がって、穀物などの作物の不作が懸念されている。

乾燥と気温の上昇は、生態系にも大きな影響を与えている。ドナウ川では水温が25度以上に上昇したため、酸素レベルが低下。これによりドナウ川に生息しているマスの生存の危機が心配されている。

そして水不足による水位の低下は発電にも影響を及ぼしている。欧州各地にある原発は冷却のために川の水を使用しているが、川の水温が上がると原子炉の冷却ができなくなるため、原発は停止に追い込まれる。原発に頼っているフランスは一時的に電力の供給不足に陥っている。また水力発電が90%を占めるノルウェーでも干ばつによる問題が発生している。