政府「緑の農家」にオランダ農業の将来性

窒素排出をする農家を減らそうとする政策に反対し、農家のデモや暴動が続いている。オランダの農業は行き詰まりに直面しているのだろうか? 効率性と生産高だけを求めて発展し、輸出高世界2位を誇るオランダの農業は、根本から見直しが必要なのかもしれない。昨日、有機農業を行う農家2500人が、新しいシステム「緑の農家計画」を提案したが、農業大臣と自然・窒素排出担当大臣はこれを肯定的に受け止めている。「これがオランダの農業の将来だ」と農業大臣は称賛している。

提案では「農作物に対し適正な価格がつけば、有機農家はやっていける」と述べている。緑の農家は、防虫剤や化学肥料を使わない。消費者のそばで生産することで、中間業者などをスキップして、適正な価格で消費者に届けられる。これまでのシステムでは農家は末端価格に対してなんの影響を与えることができない。これが改善されるはずだと、提案書は述べている。さらにコストを下げ、利益を拡大することで、緑の農家が増えるはずだ。

緑の農民の運動が示唆しているのは、窒素排出問題だけではない。水、気候そして土壌の質の改善である。デモを行っている農家は「農家がなければ食料はない。」と叫んでいるが、緑の農家は「よい土壌がなければ食料はない」と声を上げている。結局のところ、土壌の肥沃化と生物多様性と健全な自然に行き着く。

そしてもうひとつの課題である「適正価格」。政府が適正価格を決めるということは、市場経済が支配している現在、どのようなインパクトがあるのかはまだ未踏の領域である。