オランダの農家、詳細衛星情報を利用で生産性アップ

オランダの農家は無料で政府が提供する衛星情報を利用できる。経済省は農業に必要な衛星からの情報を140万ユーロで購入し、農家に無料で配布する計画。

農家は、衛星からの情報を利用し、必要な肥料、水、農薬の量などを的確につかむことができる。例えば、水を撒く噴霧器にデータを送り込むことで自動的に必要な部分に必要なだけの水を供給できる。この情報は一平米ごとという非常に詳細な情報である。データには湿度、土壌の質、作物の窒素やデンプン含有量など農業に必要な情報が含まれている。このデータ配布はオランダの「精密農業計画」の一環。耕作地全体ではなく、1平米ごとにどれだけの水や肥料が必要かが高精度でわかりさらに生産性の高いものにできる。

衛星から送られてくる情報は基本的には誰でも利用できるが、（加工前の）生データは複雑すぎて使用が難しい。このため専門の企業がこれを農業用に加工したものを配布する計画である。2013年にオランダ宇宙開発局（NSO）は生データの配布を始めたが、今年からは専門企業がこれを分析、加工し、さらに農業向けに精度の高いものを配布できるようになる。これにより、オランダの農業を世界でも最も生産性の高いものにする牽引力となるはずだと、経済省。