原料、エネルギー、そして戦争で食品価格さらに上昇

ウクライナでの戦争やこれに関わる世界的な原料不足で、スーパーマーケットとサプライヤーは商品価格に関して「前例のない」戦いを繰り広げている。スーパーの棚から商品が消えるだけでなく、工場閉鎖も余儀なくされることもある。「戦争は火に油を注いでいる。」

スーパーマーケットとサウプライヤーはパンや野菜などの価格については年間を通して前もって決めていることが多い。サプライヤーはある程度のマージンが欲しいし、スーパーは批判的な消費者を満足させる価格で提供したい。ところが今年は、昨年からの原料不足と戦争で、再度価格交渉が行われることが多くなった。

スーパーでは値上げだけではなく、商品が棚からなくなるという現象も起きている。アルバートハインではキットカットが消え、ユンボではケロッグ製品がなくなっている。サプライヤーは価格を上げたいが、スーパーは支払いたくない。これが棚から商品が(一時的に)消える原因だ。

レバーペーストやスープを製造しているスワーネンブルグ・フードは、スーパーとの価格の折り合いがつかないため、昨日工場を閉鎖すると発表した。原材料、ロジスティック、光熱費、パッケージ、などすべての価格が高騰しているが、スーパーは値上げを認めないという。

専門家によれば、2022年の食品価格は10%ほど値上げしないと、コストをカバーできないという。コストの上昇は労働市場の逼迫とコロナによる流通問題が原因だ。そして、この戦争でエネルギー価格の急上昇がコスト高に火を注いだ。ただ戦争による原料価格上昇が実際に反映されるのはもっと先だという見方もある。

オランダの食料品価格はこれまでかなり低いレベルで抑えられてきた。オランダの消費者は食品は安いものと考えていたし、実際他国と比べても安いという。それがここに来て大幅に値上がりしているが、これに慣れるしかないのかもしれない。