オランダ農産物輸出大幅に上昇し記録更新

農産物輸出高では米国につぎ世界2位のオランダは、2021年1047億ユーロと過去最高記録を更新した。2020年度に比較し9.45%の増加である。中央統計局(CBS)とワーヘニンゲン大学(WUR)の調査によるもので、農産物には花、畜産品、乳製品、卵、野菜などが含まれる。

コロナ禍中のこれほどの輸出高増加は驚くべきものだと農産物業界団体LTO。2020年3月には「半年で50億ユーロの損失を被るはず」という予測をしていた。人手不足や飲食業界の閉鎖などで生産高そして輸出が減ると懸念していた。実際当時は価格破壊を恐れバラ、チューリップ、蘭などを大量廃棄していた。また花の卸市場に出す花も70%減少したという栽培者もいた。しかし2021年の前半から持ち直し、植物の売上は120億ユーロと前年と比較し25億ユーロ上昇している。この増加についてWURは、「コロナ禍で旅行に行けなくなった人たちが贅沢品にお金を使うようになった。」と分析している。

ただし花以外の農産物に関してはあまり楽観視できない状態だ。国外への輸出量は増加したが、国内ではスーパーマーケットの価格競争で農家の利益は減っている。さらに、2030年までに50%削減目標の窒素排出量規制により畜産業界は打撃を受ける可能性がある。
画像:Aart BeijemanによるPixabayからの画像