小売チェーン「アクション」2000店舗目オープン

オランダに住んでいれば見かけたことがあるはずの小売チェーン「アクション(Action)」が、本日プラハで2000軒目の店舗をオープンする。すでにオランダ国内に400店舗あるが、現在では欧州8カ国に広がっている。店舗数ではスーパーの「アルバートハイン」やドラッグストアの「クラウドファット」の2倍という規模だ。
1993年にオランダのエンクハウゼンで開店したディスカウントストア「アクション」の拡大はここ数年急速に進み、2017年に1000店舗だったのが2019年には1500店舗を記録した。

「アクション」がこれほど拡大したのはなぜだろうか? 単に安いだけが売り物ではないところにその秘密がある。いつ行ってもないか新しいものがあることが顧客を引きつける要因だ。「ファストファッションのH&Mと同じコンセプト」だと創始者のスヌーク氏が説明している。「とくに買うものがあるわけではないが、店舗に入るとつい目を引くものがあり買ってしまう」という宝探しのイメージである。以前は、「アクション」は低所得者向けのディスカウントストアという位置づけだったが、今では「アクション」のショッピングバッグを持っていると「賢い消費者」という目で見られるらしい。

「アクション」の商品はともかく安い。驚くほどの安い価格はコスト削減が威力を発揮している。管理職をできるだけ減らした階層が少ないフラットな組織、ダブルデッカー・トラックを利用するなどのロジスティックが優れていること、家賃の安いロケーションに店舗を開くなどで、大幅なコストカットを実現した。

商品は残り物やはんぱ物を大量に仕入れている。シャンプーなど有名ブランドのものが並んでいるが、以前の商品がほとんど。またポーランド製の商品でも上からオランダ語のステッカーが貼ってあれば、消費者は気にしないという。さらに、ディスカウントショップではお目にかかるはずのない「スティーブ・ジョブズの伝記」本を売ったりと、宝探しの要素を忘れない。3000店舗目がオープンする日も遠くない。

Action