犯罪組織による攻撃に備え、ルッテ首相に厳重な警備か
全国紙テレグラーフが報じたところによれば、ルッテ暫定内閣首相は犯罪組織による誘拐や攻撃の標的になる可能性があり、厳重な警備がつくことになる。これまでは自転車で国会へ登院したり、気軽に街を歩いていた首相だが、今後はそれも不可能になりそうだ。
テレグラーフの記者は、「これまでに何度かスポッターが目撃されており、彼らはモクロマフィア(モロッコ・マフィア)に関係している。」と出演したテレビ番組で語っている。スポッターとは、犯罪世界で使われる用語で、標的をどのような方法で誘拐したり攻撃したりするかを、念入りに計画する人物だという。記者は、標的は今の所ルッテ首相であると断言している。モクロマフィアとは、モロッコやアンティール出身者からなるオランダやベルギーで活動するドラッグ関連の犯罪組織。ロッテルダム港やアントワープ港経由で輸入されているコカインを欧州全土で流通させたり、ドラッグの生産に関わっている。
モクロマフィア関連事件で2019年に弁護士のデルク・ヴィアスム氏が殺害されて以来、20人から30人もの関係者が厳重に警備されている。その中には、この殺害事件の大元となったモクロマフィアのボスであるタギの判決に関わる司法関係者が多く混じっている。今年の7月、検察は2人の容疑者に対して終身刑を要求した。この殺害は、容疑者のナビルBがタギに対する証人陳述書を作成することについて検察庁と司法取引をしたことに関連しているという。