組閣不成功のまま、2022年度予算発表「王子の日」

9月の第3火曜日は、王子の日(Prinsjesdag)と呼ばれる来年度政府予算の発表の日である。通常なら、ハーグで国王夫妻の乗った金の馬車の行進があり、騎士の間で国王スピーチ、その後予算の発表がある。しかし、昨年に続き今年もコロナのため、金の馬車の行進は行われないことになった。

今年の1月に託児給付金スキャンダルで総辞職した内閣は、総選挙後いまだに組閣が宙に浮いたままだ。連立政党の組み合わせが難航しており、これに奔走し各党との折衝を行う重要人物も何人か出てはそのたびに失敗している。このままでは、過半数に満たない連立政権の可能性も出てきている。

さて例年の如く、すでにメディアに流れている今年の予算である。

オランダの経済は昨年に続き成長を続ける。今年は昨年比3.9%の成長だったが、2022年には若干勢いが鈍り、3.5%の成長率が予測されている。財政赤字は今年が5.4%だったものが、来年度は2.3%に減少。これはコロナ支援金がなくなるという予測から来ている。

国民の関心事である住宅問題。今後10年間で10億ユーロが住宅建設に当てられる。
またチップ不足に対応し、3億ユーロがハイテク部門に投資される。

そして気候変動問題解決に68億ユーロが計上されているのに注目される。たとえば、電気自動車購入への助成金などだ。ただ窒素排出問題解決に対しては、とくに予算が計上されていない。