ロッテルダム市長、世界のベスト市長に選ばれる

ロッテルダム市の市長であるアフメッド・アブタレブ(Ahmed Aboutaleb)氏は、その功績により世界の市長賞(World Mayor Prize)を獲得した。ロンドンにあるシンクタンクである市長基金(City Mayors Foundation)が2年毎に世界中から最も優れた市長を選ぶのだが、今年はフランスのグリニー市のリオ市長とともに、ベスト市長としてアブタレブ氏が選ばれた。

アブタレブ市長は2009年からロッテルダム市の市長を務めている。15歳のときに移民としてモロッコからオランダにやってきて、苦学の末、電気技師の資格を取る。その後テレビ局のレポーターなどを経験したあと、労働党の党員となり2006年には副大臣となるが、その後ロッテルダム市長に任命される。モロッコとオランダの2重国籍をもつイスラム教徒でもある。

移民が半数を占め、その上極右勢力も強いロッテルダムは、市長にとってオランダでも最も難しい市のひとつだ。どんな人種でもどんな背景を持つ人も平等に扱うということをモットーに、アブタレブ市長はこの混沌の市を守っている。今年の初め、コロナ規制に反対するデモがエスカレートし、暴動による強奪事件があったときも、暴力による鎮圧を好まず「気分はいいのか?盗んだものを持っていてうれしいのか?」と暴徒に呼びかけ、暴動を収めている。

「平和、自由、平等、人権が社会生活で最も重要であることを強調し行動する」市長で、市民からも絶大な人気を得ている。(画像は、暴動事件の際に暴徒に呼びかける市長」

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