【重要】オランダ、7月1日から変わる法律や規制

企業、消費者、労働者、そして年金受給者に対する法律や規定が7月1日から変わる。以下が主な変更点や新規の法律である。

* セールスの電話(テレマーケティング)が規制される。個人へのサービスや製品の勧誘電話は許可が必要となる。許可を得た電話でのセールスも消費者が拒否すればその場で終了する。

* ワインやビールなどのアルコール飲料の大幅値下げセールが禁止となる。スーパーマーケットや酒店はアルコール飲料に対し7月1日から25%以上の割引ができなくなる。さらに、オンラインでのアルコール販売に対しても規制が厳しくなる。ただし、バーやカフェで一定の時間アルコールが半額になるなどのハッピーアワーは今のところ禁止されない。

*7月1日から中国や米国の格安製品を扱うウェブショップでの買い物が高くなる。EU外の国からオンラインで商品を買う場合には、VAT(付加価値税)を支払わねばならなくなる。今までは22ユーロまでの商品はVATの支払いは不要だった。さらに、ポストNL(オランダ郵便)は、VATの徴収と納付に1個4−7ユーロの手数料を課すことになる。DHLはこのVAT徴収に対する手数料は不要。

* 通常オランダでは7月1日から家賃の値上げが行われるが、今年は異なる。いわゆるソーシャルハウスと呼ばれる低所得者用住宅の場合には2022年6月30日まで家賃は据え置きとなる。フリーセクターと呼ばれる通常の賃貸の場合は今年も値上げが行われる。ただし、値上げ幅は1%+インフレ率が最大という規制が敷かれる。今年は2.4%までの値上げが許可される。この法律は2024年5月1日まで有効である。ただし、家主はサービス費を値上げすることは許可される。この場合には、サービス費用の内訳の提示が必要となる。

*これまで大きなボトルにはデポジット制がとられていたが、6月1日から小さなプラスチックボトルにもこの制度が取り入れられるようになった。デポジット制のボトルは返却すると15セントが返金される。

*ガスや電気代が大幅に値上げされる。ロックダウンが終わり、オフィスに戻る人が増えエネルギー消費量が増えるという背景がある。

*最低賃金と老齢年金の値上げ。21歳以上の若者の最低賃金はこれまでより17ユーロ上がり、税引前で1701.80ユーロとなる。老齢年金(AOW)も月額1226.60ユーロに上がる。

*7月1日から欧州内でのデジタル・コロナ証明書(DCC) と呼ばれるコロナパスポートが有効となる。オランダではコロナチェック・アプリに記載され、EU内の旅行やオランダ国内のイベントで提示できる。