家賃の敷金が返金されない
オランダでも家を借りるときには敷金を支払うが、契約終了次に何の問題がなくても敷金が戻ってこない場合が多いという。賃貸連盟(Woonbond)によれば、貸主がわざと返金を遅らせたり拒んだりすることがあり、この団体がクレームや相談を受け取ることが多いという。賃貸者が訴訟しないことを想定し、家主はいろいろな理由をつけて敷金を返済しないという場合がある。
アムステルダム市内だけでも敷金が不当に返済されないケースが数百件起きているという。とくに外国人駐在者や移住者が被害にあっている。外国人が家を借りる場合、家賃の2−3倍の敷金を払うことが多い。アムステルダム市内では家賃は月額2000ユーロが普通だが、敷金は4000から6000ユーロという金額だ。たいていの駐在者は短期間で帰国あるいは異動するため、家主はそのまま敷金を返済しないというケースが起きている。あるいはあらゆる理由をつけて返済を延長する。これはアムステルダムだけでなく、ハーグやロッテルダム、ユトレヒトといった大都市でも同様だ。
敷金が不当に返金されない場合には訴訟することが可能だ。いずれにせよ、入居前と退去時に家主といっしょに損傷がないかどうかすべてをチェックするのが大切であると、賃貸団体。ちなみにイギリスでは敷金は第3者の団体に預けることで、このような不当な返金拒否を防いでいる。昨年11月にオランダの国会でも緑の党がこれを提議したが、却下されている。