オランダ中央統計局、西洋人と非西洋人という区分をなくす

オランダ中央統計局(CBS)は、これまで生粋のオランダ人と移民という区別用語をなくしてきたが、今回は「西洋人」と「非西洋人」という区分をなくしたい意向である。この決定は政府政策科学評議会(WRR)のアドバイスによるものだが、「西洋の出身」あるいは「祖先が移民」といった区分はもはやダイバーシティ(多様性)が尊重される現代の状況にはそぐわない区分だとしている。とくに「非西洋人」という言葉には差別的な意味あいが含まれることが問題となっている。

オランダで育ちオランダで教育を受けオランダ国籍を持つ移民の子孫も、このようなレッテルを貼られるということは、「過去の植民地的な考え方」を踏襲していると識者たちが指摘している。例えば、インドからやってきた知識労働者やアンティル諸島からの留学生やエリトリアからの難民は、すべて「非西洋人」と区分されている。これに対し、日本からの知的労働者やインドネシアからの留学生あるいはチェチェンからの難民は「西洋人」に分類されている。この非論理的な区分を廃止するためWRRは、出身地ごとの区分を提唱している。トルコ系あるいはアメリカ系といった区分だ。CBSは、5年前に「移民」「現地人」という用語を廃止しているが、今度はこの西洋と非西洋の区別をどのようにデータに反映させるかが課題となるだろう。