EUトップ会談でアフリカ移民問題で合意、オランダ首相は満足

28日夜から29日早朝まで続いたEUの28カ国首脳による会談がブラッセルで開催され、長い討論の結果移民問題で合意に達した。現在欧州では地中海をボートで渡ってくるアフリカからの移民が問題化しており、先日もイタリアが受け入れを拒否したためスペインまで航海を続けるという事件が起きている。アフリカからの移民がまず上陸するのがイタリアやギリシアなので、欧州内における不公平感が高まっていた。

移民の中でも戦火や反乱を逃げてやってくる難民と、より良い生活を求め欧州に渡る人たちがいるが、難民に関しては欧州全土で受け入れる。ただし東欧諸国はこれを断固として拒否している。長期的には一箇所で移民や難民を管理するシステムを構築するということになりそうだ。

オランダのルッテ首相は、現在EUの助成金でトルコでシリア難民を受け入れているのと同様なシステムをEU外の国に設置したいという意向を示し、これがEU全体で合意に至った。「この問題は非常に複雑であるが、合意に至ったことは喜ばしい」と述べている。これまでEU内で犠牲を払ってきたイタリアも今回の合意を歓迎している。

さらに今回の会議ではロシアに対する経済制裁をさらに6ヶ月間延長することも決定した。ロシアに対する制裁は4年前のロシアのクリミア侵攻に端を発している。制裁は、ロシアのエネルギー企業、防衛企業そして銀行の欧州での活動を禁じるものと、先端技術のロシア輸出を制限するもの。