オランダ王国領キュラソーに野球チーム発足。オランダチームは後退か?
カリブ海に浮かぶ島キュラソーはオランダ王国構成国となっているが、政治的にはひとつの国家である。最近これがオランダのスポーツ界に波紋を広げている。例えばオランダのサッカーチーム「フィッテッセ」の選手バズールが、キュラソーの代表選手になることを選ぶのか、オランダチームに残るのか。国際的に成功するにはどちらのほうが得なのかを選手は考えている。キュラソーはこの10年で世界選手権試合でも151位から76位へと大幅に上昇している。
野球界ではさらに深刻だ。オランダチームはこれまで世界でも強豪だったが、キュラソーが独自のチームを発足するという計画で、その地位が危うくされている。キュラソーのチームが発足すれば、世界のトップクラスとなることは明らかだ。オランダの野球チームの4分の3の選手はキュラソー出身。野球はキュラソーで最も人気のあるスポーツで、アメリカの野球界で活躍するディディ・グレゴリアスやケンリー・ジャンセンなどのスターが登場している。人口比でもアメリカメジャーリーグ選手の割合は世界一で、野球はキュラソー島の最大の輸出品となっている。
オランダにとってはキュラソーチームの発足は痛いかもしれない。しかしオランダ王国にチームが2つできることは面白い展開が期待できる。