コロナウィルス免疫に関するRIVMの見解

これまで、コロナウィルスに感染した人や軽い症状が出た人にはすでに免疫ができていると信じられていた。しかし昨日国会でオランダ公共衛生環境研究所(RIVM)のファン・ディッセル所長は、「軽い症状が出た人に必ずしも免疫ができているとは限らない。」と発表した。つまり十分なウィルス抗体が体内に構築されていないというのだ。この軽い症状が出たという人たちが、ウィルスの蔓延の原因となっている可能性も高い。現在2500ヶ所にある特別養老看護施設のうち900ヶ所でコロナウィルスの感染が報告されている。

RIVMはコロナウィルス免疫についてはさらに調査を進めるが、一番重要なのが検査数であるとしている。現在の検査数では全く足りていない。検査数を増やし、感染者が誰と接触したかを追跡するのが蔓延防止に役立つとRIVM。ただこの追跡は、コロナウィルスが蔓延する前に行われた場合に役立つが、すでに時期遅しだというのが政府の見解だ。そこで持ち上がったのが追跡アプリである。感染者がどこに行ったのかがわかるアプリで、その感染者に接触した人には外出禁止の警告が出るという仕組みだという。ただし、このアプリはプライバシーの問題だけでなく、技術的な問題などを抱えており、実施されるには時間がかかりそうだ。

オランダ集中治療室連盟(NVIC)のホマー会長(Gommer)によれば、ICUに入院する患者数が横ばいになっている。これは喜ばしいニュースである一方、現在の規制を緩めたらこの数が急増することも意味する。もし6月1日に規制を緩和することになると、その後10,000のICU床が必要になる可能性もある。こうなれば医療崩壊だとホマー氏。現在オランダでは最大2400床を確保しているが、これ以上になると、ICU専門従事者の数も足りないばかりでなく、ICUに入れる患者の選択が行わざる得なくなる。専門家は「暗いシナリオ」に関しても今のうちに真剣に話し合うべきだとしている。

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