オランダでのコロナウィルス蔓延防止対策効果は?

オランダ公衆衛生環境研究所(RIVM)は先週、現在実施されているウィルス蔓延防止対策が効果を見せると予測したが、実際にはそこまでの効果が出ていない。とくに集中治療室(ICU)へ入院を余儀なくされている患者数を見ると予測を上回っている。このまま行くと4月の半ばにICUに収容される患者数は2500名となるというのが現状から見た最も可能性が高いシナリオとなる。これは先週の予想を上回る。先週には1000人分のICUベッドが必要であるとRIVMは発表していたが、すでにその数に達している。予想を上回っている要因は、ICUへの入院日数が当初の予測である10日間から23日間に伸びていることだ。10日では完治しない。さらにここ数日の患者数の増加もこのICU入院者数に拍車をかけている。現状、オランダのICUの収容余地は1100人分しかない。

ただし状況は悲観的なものばかりではない。対策の目的である病人数の平坦化(ピークをより平坦にする)はすでに見られている。つまり対策が実施された3月16日以前は、ひとりの患者が2人に感染させていたという統計が出ていたが、現在では1人の感染者がウィルスを移す数は1人に減っている。さらに、感染者数の増加は予想よりも高いものの、速度を落としている。

3月29日現在の感染者数(検査の結果陽性反応が出た人)は10886名。入院者数累計3483名。死亡者数771名となっている。ただし検査数が少ないため実際の感染者数はこれよりずっと多いとRIVM。

RIVMの統計(英語)