オランダ、コロナ基金設立提案。実質的なEU諸国への寄附

オランダは水曜日、「コロナウィルス蔓延により経済危機に陥っているEUに諸国に向けた財政援助を目的とした基金を設立する」とフークストラ財務大臣が発表した。これまでオランダはイタリアなどが求めていたEU共通の「コロナ債」を拒否し、コロナウィルス蔓延による経済的打撃を受けたイタリアやスペインなどの国から連帯の欠如だとして非難を受けていた。3月26日のEUテレビ首脳会議では、イタリアなど南欧各国の財政規律の緩みを懸念するドイツやオランダが債券発行に反対。イタリアのメディアは「醜い欧州」「合意しなければEUを離脱」など一斉に非難、失望が広がっていた。

フークストラ大臣はロイター通信のインタビューで「オランダはこの緊急基金で欧州連合諸国に巨大な貢献をする。」と語っている。基金総額は約10億ユーロ(1200億円)。今回の提案は、他の欧州諸国から非常に好意的に受け取られていると同大臣。
オランダのルッテ首相はこのインタビューの先に国会にて、(イタリアなどが提案している)救済のための債券発行よりも、コロナウィルス蔓延による経済危機にあえぐ欧州諸国に「寄附」という形で貢献したいと語っていた。これが今回の基金設立である。

「債権という形の援助は、あくまでも融資であるので、返済が必要になる。寄附なら返済の必要なく、援助できる。」と語り、欧州の連帯を保持することを強調した。