オランダの研究者コロナウィルスの抗体発見、世界初

エラスムス大学医療センターとユトレヒト大学の研究者が、コロナウィルス(COVID-19)によって引き起こされる感染症に対する抗体を発見したと「エラスムス・マガジン」が14日朝発表した。その中で、エラスムス医療センターのフランク・フロスフェルト(Frank Grosveld)教授は「この抗体は感染症を止める働きがあるもので、治療薬として市場に出る可能性が高いもの。」だと述べている。 SARS2と言われる今回のパンデミックを起こしたコロナウィルス(COVID-19)の抗体の発見は、世界で初めてである。

抗体は実験室で発見されたもので、人体での効果は今後まだ試験を行わねばならない。人体での試験はまだ数ヶ月かかりそうだ。今回の発見の研究結果はオンラインでシェアされ、世界中の研究者によって精査される。他の研究者の確認を得た後に「ネーチャー誌」で発表される予定だ。このスピノザ賞受賞者であるフロスフェルト教授(71)は、「ネーチャー誌」が取り上げるのは時間の問題であると述べている。

ただ、ユトレヒト大学の研究者で今回の研究のリーダーであるベレント・ヤン・ボッシュ氏は、「誤った期待をされたくない。」と慎重で、「人体への有効性を語るにはまだ時期尚早」であると述べている。

フロスフェルト氏によれば、この抗体はウィルスによる感染を防ぐもので、コロナウィルスによる感染に対する薬品の開発に役に立つと述べている。しかしながら予防がパンデミックに対する一番の解決法であるので、ワクチンの開発が重要であるとコメントしている。「ワクチンの開発は他の研究者が行っているが、2年はかかるだろう。」と同教授。
(画像はErasmus Magazine)

エラスムス・マガジンの記事(英語)