オランダ財務省、17億ユーロの投資ファンド開設、環境関連など

本日、オランダ財務省が株主として持続可能イノベーション企業向けの投資ファンドが開設された。投資基金残高は17億ユーロ(約2000億円)。投資ファンドを運営する会社は「インベストNL」で、トップは元労働党議員ヴァウター・ボス。

このファンドは革新的なアイディアを持ち事業を拡大したいが、資金が足りず調達先が見つからないという企業への投資するのが目的だ。こういったイノベーション企業は銀行や個人投資家にアプローチしてもなかなか資金を調達できず、拡大の機会を失っている。また資金を借り入れることができたとしても5年以内に返済を余儀なくされることが多い。

政府はこの投資銀行に長期ローンを行うことで企業に時間的な猶予を与えることになる。対象となる企業は気候変動関連やエネルギー関連、農業生産などのイノベーションを行う企業で、最低500万ユーロの資金調達が必要な企業である。

このファンドから資金を借りる場合には条件がある。インベストNLは必要資金の半額を投資する。つまり残りの半分は複数の投資家から資金を調達しなければならない。政府の投資があることで、企業は信用を得ることができ、これにより投資家を説得できるというのがこの条件の背景だ。ファンドはあくまでも企業が利益を出すためのもので、助成金とは違う。

実は政府系の投資ファンドは多く、今回のインベストNLの設立には「またか」という批判もある。会計監査局の調査によれば、すでに30の政府系当敷金が存在し、投資残高は36億ユーロに上っている。それぞれのファンドは目的が違うというが、かなり混在しており管理がむずかしくなっているのが現状だ。

Invest-NL