オランダの小学校、深刻な教師不足
オランダの小学校は深刻な教師不足に直面している。新学期(9月)に向けて現時点で3,500人の教師が不足している。夏休み後には1,400人の教師不足で学校を再開しなければならなくなると見られている。昨年も新学期も1,300人の教師不足で新学期が始まっている。
教師の数が足りない場合には学校はそれなりの対処をせねばならなくなる。授業時間を減らしたり、教育を専攻する学生を雇用するといった対処法は、教育の質の低下につながる。教師不足は昨年より5%増加しており、このまま行くと2027年には10,000人が不足すると試算されている。特にランドスタットと言われる西側の地域(アムステルダム、ハーグ、ロッテルダムなど)での教員不足が目立っている。特にオランダ語を母国語としない外国人の多い学校などが就職を希望する教師が激減している。例えばユトレヒトのダ・コスタスクールは生徒の95%がモロッコ系である。こういった学校に就任したいという教師は少なく、教育の質がますます落ちるという悪循環となっている。
教師不足を発想を転換して補おうという試みもある。ユトレヒトのカナールアイランドにある移民が多く教師が不足している学校では、ユニークな試みを行った。教師の代わりに1週間に一度ヒップホップのスターを呼び、子どもたちにヒップホップの歴史を教えたりラップを作らせ踊りを教えた。言葉やクリエーティビティーの発達に役に立った、と学校。