オランダ、ホームドクターとドラッグストアが協力、軽い症状の患者は市販薬で

オランダでは専門医のいる病院へ行くにはまずはホームドクター(Huisarts)という主治医を訪問しなければならない。このシステムに戸惑う日本人も少なくないが、これにより無駄な病院訪問を減らし医療費節減と合理化を行っている。そして今ホームドクターへの訪問自体も減らそうという計画がある。ヘルダーラント州のブルメンとティール市では試験的にこの計画を開始、軽い頭痛や腹痛、風邪、切り傷といった症状の軽い患者は市販薬が買えるドラッグストア(薬局ではない)に行ってもらうというものだ。これにより年間120万件のホームドクター訪問を減らす計画だ。

この計画は中央ドラッグストア協会(CBD)とシルバークラウスなどの健康保険会社が共同で、ホームドクター協会に呼びかけ始めたもの。CBDによれば「ドラッグストアの市販薬で治療できる疾病はたくさんある。」という。たしかにオランダではホームドクターに行っても専門医への紹介どころか処方箋は出ずに、市販の鎮痛剤などを勧められることが多い。

ドラッグストアのビジネス目的では?という批判に対し、CBDは「明らかに症状がひどい場合にいは市販薬は販売せずにホームドクターへ行くことを勧める。」と答えている。ドラッグストアとホームドクターは、軽症の疾病用市販薬については同じアドバイスを与えるということで同意。症状に合わせた薬を推奨する「アドバイスカード」を店頭に置くという。