オランダ教会離れますます進む

オランダ人の教会離れが進んでいる。キリスト教信者ではないという人が増えていると、社会文化計画局(SCP)が19日に発表した。オランダ人の4分の3は、自分の人生にとって教会はほとんどあるいは全く意味を持たないと答えている。さらに3分の2のオランダ人は教会や他の宗教団体を信頼しないという結果が出ている。

この世俗化(教会離れ)現象は、いくつかの厳格なプロテスタント教会を除き、オランダ全土で見られる。とくに教会離れが激しいのは、ここ数年性的虐待などのスキャンダルが続出したローマ・カトリック教会である。35年間の数字を見るとカトリック教徒は全人口の28%から9%へと激減している。

例外は、フェーネンダールにあるマザイエク0318教会で、神や聖書そして死後を信じる人が、若者たちの間で人気を呼んでいる。また100万人近いキリスト教徒の移民もおり、これも全体の減少に多少ながら歯止めをかけている。

SCPによれば毎年、1日平均267人、年間10万人が教会から離れているという。このテンポで教会離れが進むとキリスト教信者はほとんどオランダから姿を消すかもしれない。ただSCPで調査をおこなったデ・ハート氏は、「教会自体から離れる人は多いが、信仰としてキリスト教を信じる人の数はそれほど減らないはず。」と分析している。ただ教会に行く人は、ボランティア活動、介護、寄付や慈善事業に熱心な人が多いため、教会が存続できなくなると、こういった活動拠点も減ることになると懸念している。

教会離れはオランダだけでなく、ドイツやイギリスそしてフランスでも進んでいる。先出のデ・ハート氏は、「欧州で起きることは世界の他の国でも起きる。」と世界でのキリスト教の衰退を予想するが、同時に逆も然りで「アフリカや極東で宗教がブーム」だと述べている。この教会離れは聖職者にとっても頭の痛い問題であるが、これといった解決法はまだ出ていないという。

同じ宗教でもオランダにおけるイスラム教はその地位を確固としたものにしている。SCPが昨年調査した結果では、オランダに住むトルコ人やモロッコ人は、その宗教心を強めているという結果が出ている。

SCPの分析