EU離脱案採決の延長を決めた英メイ首相、オランダのルッテ首相と朝食会議

本日11日に予定されていた欧州連合(EU)との離脱合意案の採決を延期すると昨夜下院にて述べたメイ首相が、今朝ハーグに飛び首相官邸にてルッテ首相と朝食会議を行った。会議では、ここ2年間イギリスと27のEU加盟国の間で協議されてきた英国離脱について話した。
メイ首相は昨日の下院での協議で、最大の障害となっている離脱案の「安全策」について議会で了解が得られるよう、13~14日にEU首脳会議が開催されるのを前に、EU側と緊急会談を行う意向を明らかにした。そのため、メイ首相が欧州のトップたちに直接会い根回しをすると見られ、ルッテ首相はその最初の相手となった。この後、メイ首相はベルリンに飛びメルケル首相と会う予定。

政治記者のヒールツ氏によれば、「ルッテ首相はメルケル首相につぎ、EU諸国の中で最も長期政権を維持している。そのためEUでも重要な役割を果たしている。さらに、イギリスが最大の貿易相手国であるオランダは同国のEU離脱で最も大きな打撃を受ける。」ことから、最初の話し合いに選ばれたと思われる。

10日、オランダの会計監査局は、英国のEU離脱で何の譲歩もなかった場合(Hard Brexit)には今後2年間でオランダ政府は23億ユーロのEUへの追加負担が強いられることになると発表している。オランダのイギリスとの貿易総額は約227億ユーロで、GDPの3.1%にあたることから、ブレクジットはオランダにとって大きな関心事になっている。