ワーヘニンゲン大学、「コーヒーショップ自給チェーン」用に大麻栽培
オランダの農業科学大学ワーヘニンゲン大学(WUR)は、政府が2019年から開始する「コーヒーショップ自給チェーンの実験」に参加する。オランダには大麻を合法に販売するコーヒーショップと呼ばれる店舗があるが、10の市町村が大麻の自給自足の実験を開始する。これらの市町村はコーヒーショップへ合法に大麻を供給するというもの。
現在オランダでは認可コーヒーショップにおける大麻の販売と使用は限定的に許可されているが、栽培は違法である。近年違法に大麻を栽培するケースが増加しており、特に犯罪組織によるものが暴力行為などの問題を起こしている。この「自給コーヒーショップ実験」を行うことで、政府は犯罪組織による大麻栽培を阻止しようと試みている。
ワーヘニンゲン大学でエリック・ポートさんが率いるチームは2年間大麻栽培を研究してきており、この植物に関し多くのデータを収集してきた。研究は太陽光の入る温室の中で行われている。チームは(医療用)大麻に含まれるTHCとCBDという物質についての研究に焦点を当て、栽培過程での太陽光の役割について研究している。大学は政府から栽培許可を得ているが、研究内容に関しては外部に漏らさないことが条件。ただし最近大麻が合法化されたカナダでは同大学の研究結果が利用されている。オランダ検察によれば、大麻の栽培と供給はオランダでは有罪だが、カナダなどへの合法の国への供給は有罪にならないという。